額の整形講座

額の整形

1.額のシリコンプロテーゼ挿入

一番古くから行われている方法です。髪の生え際の後ろに約4cmの切開を行い、骨膜の下を剥がして眉のすぐ上まで到達し、板状のシリコンを挿入します。このシリコン板は傷口からの挿入時は縦に入れ額の骨の前で90度回転させ定位置に置きます。この際剥離が不十分ですと回転が妨げられ少し回っていたり歪んだ状態で入ったままになることがあります。しかし避けられようのない問題は、また傷口約4cmのハゲができる事と、その傷の後ろの知覚神経麻痺、シリコン板のヘリが額の皮膚の上から見て分かってしまうことです。

額の整形の説明

2.額の骨セメント

セメントを骨の上に付け硬化すれば出来上がりですが、このセメントは、メチルメタクリレートという成分で有機溶媒を含むため整形外科で人工関節・人工骨頭の手術において骨髄にこのセメントを付着させると、急激に血圧の低下をみるのはしばしばあります。しかし固まってしまえば問題はありません。またこのセメントは硬化の際、皮膚なら火傷をするほどの発熱をみますので、従って図のように骨膜下に頭の皮を大きく剥がして、額の骨を完全に露出させてから、額の骨の上にセメントを付着させ、後は手でペタペタとモデリングを行い、硬化後に発熱も治まったら頭の皮を元に戻して縫合します。 問題点は侵襲が大きい(出血多め)こと、長いハゲが残ること、セメントは骨とは違い異物であるということです。

額の整形の説明

3.額のハイドロキシアパタイト

セメントと似て異なるもので人間の骨の成分と同じものです。これは粉と溶解液を混ぜ合わせるとしだいに硬化し骨様になってきますが、その際に発熱はみません。そのため皮膚切開は注入管が入る程度でよく、約8mmの切開で済みます。その小さな切開から骨膜の下で剥離しアパタイトを注入し、硬化するまで手のひらでモデリングするのです。ハイドロキシアパタイトは人間の骨と同じ成分なので生体内に入っても異常な反応を見ず、額の骨と一体化する形でずっと存在することになります。将来的な問題点は特にありませんが、モデリングを皮膚の上から行うため器用にやらないと皮下で起伏が生じます。